Alloraの詩集 2殺す 1 神を ぶっ殺してしまった 私は いくところがなくて 母を ぶっ殺してしまった 私は いくところがなくて 私を ぶっ殺そうとしています 殺す 2 死の幻影に とりつかれた 私は 突然 殺されることを望み 殺されることによって 快楽をえるでしょう 殺す 3 私の望んでいるものは なんでしょう 彼の望んでいるものは なんでしょう もし彼が 死を望んでいるのなら 私は彼を 殺してあげましょう もし私が 死を望んでいるのなら 私は彼に 殺してもらいましょう 殺す 4 幸福があるのなら 不幸はなくて 殺すことがあるのなら 生きることがなくて だけど だけど ないことが不思議なことにあるから 私は それを殺すことで 幸福になれる 殺す 5 ‘今’という‘今’を 生きながらえていくより ‘今’という‘今’を 一枚ずつひきはがして 殺していくことの方が 私は 好きです 殺すから許すに至るまでに10年ほどの月日がかかりました。 許す 1 母よ私を許してください 私もあなたを許します 神よ私を許してください 私もあなたを許します うちなる私よ どうか私を許してください 宇宙一切は 私を許し 私は 宇宙一切を許す 許す 2 生の真実を知ったとき 私は 突然 一切から許され 一切を許すことによって 解脱をえるでしょう 許す 3 私の望んでいるものは なんでしょう 彼の望んでいるものは なんでしょう もし彼が 解脱を望んでいるのなら 私は彼を 許してあげましょう もし私が 解脱を望んでいるのなら 私は彼に 許してもらいましょう 許す 4 幸福があるから 不幸があって 死ぬことがあるから 生きることがあって だからだから みなおろおろしているけど すべてから許され すべてを許すと おろおろしなくとも よくなる 許す 5 ‘今’という‘今’を 生きながらえていくより ‘今’という‘今’この瞬時に 宇宙一切を許すことのほうに 私は全情熱をかたむけます |